だからって今まで培って来た考えが簡単に変わるわけではないけど。 ガチガチに固まる莉乃の耳元に唇を寄せた。 シャンプーのいい匂いが鼻をかすめる。 それだけでドキッとさせられて 不謹慎にももっと触れたいと思ってしまう。 「莉乃」 小さくそう囁くと、小さな莉乃の体がピクリと動いた。 「ありがとう」 少しだけ昔の自分を取り戻せた気がする。 純粋でまだ希望を抱いていた頃の自分を。