「王宮さんも何もなかったですか?」

「質問責めにあったくらいだ」

「ふふ、そうですか」

 一歩隣を歩く王宮さんは特に笑わない。無表情に、一体どこを向いて何を見ているんだ、という感じでただ横を歩いている。

 と言ってもイケメンな分、体から出るオーラというのはやっぱり違うのだけど。

「あ、王子だ」

「えー!? 誰あの女!」

「(ハハ……)」

 うん。まだ二日目だけど、この状況にも幾分か慣れてきた。