けど、私を待っていたのは意外な人物だった。

 時音でもない、永人でもない。その人は昨日から私の彼氏のフリをしている、通称『王子』。

「王宮、さん?」

「……」

 今日も今日とて寡黙で無愛想な彼。

 だけどどうやら私を待っていたのは間違いないらしく、私が近づくと校門にもたれていた背をゆっくり上げた。