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「久しぶりだね、永人くん」

 その声は新入生代表で挨拶をしていた人の声とそっくりで、

「時音ちゃん……久しぶり」

 その声は昨日木下に迫っていた男とそっくりな声だった。

「!?」

 二人の姿を確認してすぐ、俺は近くの木に隠れる。

 学年主席(新入生代表ということはそうなんだろう)と昨日の男は校門を出て人目につかない所で話していた。

「久しぶり」と言いあう割にはどちらも笑っていない、奇妙な光景だ。