『女が……苦手なんだよ』


「……ふふ」

 つい昨日のことが頭をよぎる。

 やっぱり、王宮さんを見れば誰だって女好きとまではいかなくても、女が苦手とは思わない。なんてギャップだろう、思い出すたびに笑みがもれる。

「なに、なんかおかしいこと言っちゃった?」

「うぅん、なーんも! ごちそうさま!」

 少しだけ、元気が出た――

 顔に笑みを残したまま、来た時よりか軽い足取りでその場を去る。そして先生に怒られるのを覚悟して、質問攻めが待つ教室に戻ったのだった。