「このままは、嫌なんだよ。永人には分かってほしい……浮気のことを謝られても、例え浮気じゃなかったとしても、冷めた気持ちはもう戻らないし」

「……うん、時間がかかってでも伝わるべきだと思う。私も協力するからね」

 ギュッと手を握ってくれる時音。
 不安だった気持ちが、幾分か楽になった。

「ありがとう……じゃあ帰り、一緒に帰ってくれる?」

「うん、今日は何もないから帰ろう。彩花ちゃんこそ、昨日言ってた用事は?」

「用事?」

「“寄るところがある”って言ってたじゃない」

「あぁ~あれ……永人のこと」

「……なるほどね」