「どうしてフッたの? 永人くん、顔もカッコイイし女子からすごい人気だったよね」

「うん、付き合いたての頃は色々苦労したなぁ」

「今もだけどね」

「……はぁあああ、本当だよ」

 案の定、昨日の光景を見た女子から質問攻めをされた今日。時音に永人のことを相談しようとしてもそれどころではなく、仕方なく静かな屋上に来て仕方なく授業をサボっているのだ。いわゆる不可抗力。

「まぁ、王宮さんのおかげで助かったんだけどね」

「王宮さんって言うの? あぁどこかで聞いたことあるよ」

「そうなの?」

 あの時音でさえも知っているなんて……王宮さんってやっぱり有名な人なんだ。