「はい」

「ありがとー……あれ?」

 私が驚いたのも無理はない。彼女がくれたもの、それはカフェオレだった。

「どうしたの?」

「ん、いや。ブラックじゃないなって」

「え、あ~うん。何となくね」

 そう言ってフフと笑う時音。瞬間、ボブの髪がフワリと揺れその人柄を表しているようだった。時音はいつだって、優しいのだ。