「なに、君。どいてくれないか? 俺は今彩花と話してるんだ」

「どー見ても話したくない感じだろ。それくらい見て分かれよ」

「君こそ邪魔者だってこと、分かったらどう?」

「(ぅわぁ……)」

 ハッと我に返った時は、泥沼だった。

 一触即発と言う言葉がシックリ来るけど、王宮さんに至っては『巻き込んでしまった』という申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 メール来て警戒していたはずなのに、会わないように学校をどこから出ようかと考えていたはずなのに……どうして忘れてしまったんだろう。