私とその人の壁になるように立ってくれた王宮さん。後ろから見た彼の表情はちょっとも見えない。一体、どんな気持ちでそこにいてくれるんだろう――?

「お、王宮さん……?」

「……」

「(えっと……)」

 あまりに突然のことで驚いた……けども、すごく助かった……。

 私の足は枷(カセ)がついたように重く、そして足そのものさえも鉛のように重くなって動くことが出来なかった。あのまま王宮さんが来てくれなければ、きっとあの人に捕まっていたに違いない。

 “掴”まれていたのではなく、“捕”まっていたのだ――