「彩花」

「(ゾクッ)」

 全てを知っている様な茶色の目に私を写し、拘束する。温度もない冷たい目が、徐々に私を支配していった。

「彩花、こっちにおいで。座ろう? ほら、彩花?」

 そう言ってその人が私に近づこうとした、その時だった。


 スッ


「これ以上、近づかないでくれないか?」

 私を庇うように、王宮さんが目の前に立っていた。