「モテるんですね」

「嫌味にしか聞こえねー」

 私も靴に履き替え、二人校門へ向かう。その間も、話は続いた。

「でも女嫌いなら、どうしてわざわざ“彼女役”がいるんですか?」

「お前バカ? 追っかけは全員女だろうが」

「あ、なるほど」

 確かに、苦手の対象がずっと追って来るのは嫌だ。私だって、お化けにずっと追われたら泣いてしまうもの。苦手を通り越して怖いもの!

「(というか、そもそも)」

 彼が女の人を苦手になった理由って、なんだろう?