私の言葉に王宮さんは目を開く。夕焼けに反射した目が、キラッと光った。どこか怖くて、私はパッと目を逸らす。

「なに、もう限界なの?」

「そ、そうじゃありません。王宮さんが、しんどそうなので……」

「俺が?」

「さっきだって、面倒だって思ったでしょう?」

 言うと、王宮さんは少し考える素振りをして「別に」と答える。その答えが嘘八百過ぎて、笑おうにも笑えない。

「そもそも、王宮さんなら彼女の一人や二人――」

「作りたくないから、作ったふりしてんの」