「あなた、王子のなんなの?」

「……へ?」

「まさか、王子の“特別な人”なんて言わないわよね?」

「え……っと」

 これほど直球に言われるとは思わなかったので返答に困って、つい周りを見る。

 すると気づかない間に結構なギャラリーが出来ていたみたいで、私たちは注目の的になっていた。

「(逃げたいです)」

「(逃げたら許さない)」

 そう言って、王宮さんは私の肩へ手を回す。自然過ぎるその動きに、少しだけドキッとした。