「ん~! んー!!」

 必死に抵抗する彩花。だけど目は絶対開けないようで、俺はその時の顔を見放題だった。

「(あ~写メに残したいかも……)」

 未だ写真フォルダに一枚もない俺。
 そんな俺が、写真を撮りたいなんていよいよおかしくなったみたいだ。

「(あ、でも――)」

 一枚だけある写真が彼女のこんな姿なんて……考えたら色々よくない。うん、色々と。

「(仕方ない、諦めるか)」

 だからもう少し、キスの時間を長くしよう――

 結局、次のチャイムが鳴るまで終わらなかったキス。

 このあと彩花に怒られたのは、言うまでもない。


樹side--彩花と樹のその後--end