『変わりなしです。どうぞ』

 無線のように返してみる。ふふ、こんな面白半分の内容を、あのイケメンクールはなんて返してくるだろう? ちょっと楽しみだ。

 すると数秒もしない内に、またバイブ音。

「案外早いなぁ」

 お知らせを見ると、そこにはまたしても『No Name』の文字。
 王宮さんの返事だ――
 そう思い、メールを開ける。

 だけど――

『今日もいつもの場所で待ってるから』

「……見なきゃ良かった」