- another -

「お前、やっぱり強情だよな」

「会って数日の人に言われたくないです。そもそも、女嫌いなのに誘っていいんですか?」

 私ついていっちゃうかもしれないですよ?と言わんばかりの声だ。こいつの、こういう挑発するようなところは嫌いじゃない。

 むしろ――

「(そこが良かったり……とか)」

 彩花は女だけど、他の女とは違う。
 他の人にないものがこいつにはある。

 そんな、彼氏さながらのノロケのような言葉を思いついてみる。

 目の前にいる彩花はまだ笑っていて、昨日の反省もせずに俺はまた、その唇に迫るのだった――