俺様王子と2℃の恋

- another -

「……私ね、あなたを騙してるんです」

「……あぁ」


 なんとなく、分かる。


 元彼を諦めさせたくて俺を利用しようとしていたのは知っている。

 でないと、いくら痴漢を助けたからってメリットなしに恋人ごっこはしたくないだろう。

「“私があなたの側にいるのは私のためだった”―-
 これを聞いても、さっきと同じこと言えますか?」

 彩花は笑ったまま、けれども暗い影を落としてそう言った。