『こんなにも優しくなかったら、楽でしたよね』

「あぁ……」

 本当に分かってなかったんだ……半ば呆れながら、尚も背中を預けたまま話す。

「顔も良くて性格も良い人は大変だなって話です」

「は? 意味わかんね」

「わかんなくていいですよ」