「あんたなんかより私のほうがずっと可愛い! どうしてあんたなの!?

 私は中学の時からずっと、ずっとずっと王子のことが好きだった! 好きだったの!」

「……」

「なのに、なんでぇ……!?」

 落ちていた携帯を拾うように、その場に崩れる彼女。

 まさか泣いているんだろうか――?

 私に責任がまさかあるわけではないけど、居心地が悪い。私はそっと、彼女に近寄った。