すると核心をつかれたのか、彼女はカッと顔を赤くして「うるさい!」と怒鳴った。なんだなんだ、もしかしておセンチな気分なのか?

 だとしたら、単刀直入に言うべきじゃなかった……

 中学生の時のデジャブを思い出して、胸の鼓動が早くなる。あんな思いはゴメンだと思っていたのに、まさか高校でまた同じ思いをするとは……。

「樹、あなたは樹って呼んでるの?」

「それが、なに?」

「私だって、王子なんてあだ名じゃなくて、名前で呼びたい……」

「呼んだらいいんじゃ――」

「じゃぁあんたとあたし、変わってくれるの!?」

 え!?

 いや、そりゃ無理だろう……