- another -

「そうだよ」

「……ふうん」

 確かに……そうなのかもしれない。けど、そんなに変わったか?

「あと、自分では気づかない内に変わってるもんだよ」

「……なにがだよ」

「自分の気持ちの変化、とか!」

「言ってろ」

 軽く舌打ちをしたところで今度こそ走り出し、メールで「今どこ?」と木下宛てに打つ。


 変わったな――


「……そうか?」

 掛下の言葉が頭で回る中、俺は教材を持った教員を何人も抜かしながら体育館を目指すのだった。