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「違う、そんなんじゃなくて……なんか、こう……女子みたいな」

「“みたいな”!? ほら、やっぱり幽れ――」

「いやだから違うっつーの! その女子が、木下に似てたんだよ」

「……は?」

「見間違いかもしれねーけど」

 でもあの背格好、間違いないともいえるけど、なにせ距離が距離だ。断定するには対象が小さすぎる。

「でも王宮、それ間違いであっても行くべきじゃね? 自分で言うのもなんだけど、さっき滝本にトドメの一言浴びせちゃったし……何するか分かったもんじゃねーよ?」

「まじお前が言うな……」