- another -

「でも……」

「あ?」

「あいつもそこそこ乗り気だったってことだよな……じゃあ、掛下は悪くないかもな」

「待った! あいつって、彩花ちゃんのこと?」

「……」

 何も言わずにいると、掛下は俺の顔を覗き込んでくる。そして
「王宮、昨日のこと何て聞いてんの?」
 と言ってきた。

「……成り行き」

「は!?」

「成り行きでそうなったって言ってた」

 俺が正直にそう言うと掛下は「はア!?」と怒鳴る。あいつが怒鳴るなんて、滅多ないことだった。