「噂も流れてるくらいだよ? 〝あのカッコイイ子のファンクラブ”っていう変な名前で追っかけも出来たとかなんとか」

「え~……」

 なんだその名前、センスなさすぎ――と言いたかったけど、どこで誰が聞いているか分からないため口には出さない。

 このクラスだって数えきれないほどの王宮さんのファンがいるくらいだもん。永人のファンがこっそり出来ていたって不思議じゃない。

「……」

 王宮さん――

「はあ……」

 ひと時忘れていた疲れが、ドッと押し寄せてきたような気がした。