口からだらしなく垂れたジュースを拭えないまま、布団を握りしめて王宮さんを見る。

 涙こそ出ない……というか、いま抱いている感情になんて名前をつけたらいいのか分からない。

「……ごめん」

 そう言ったのは王宮さん。壁にもたれて、顔を下げている。表情は、見えない。