「おい!」

「……あ、ごめんなさい。何でもないです」

「はぁ? 何でもないって……」

 心配そうに私を見る王宮さんがどこか面白くて、クスと笑みが漏れる。本当、困った顔でもイケメンだなんてどこまでカッコイイ人なんだ。

「(だけど女嫌い)」

 やっぱり、せっかく彼女役してるんだし、何とか女嫌いを直してあげたい。王宮さんの彼女になる人ってきっと幸せになれるし、王宮さん自身も幸せになれると思うもの。

 三里さんとあんなことになってしまったけど、女嫌いが直るなら、またタッグを組もう。もちろん、違うやり方で(二人きりにならないようにお店に行くとか!)。