「ぉ、王宮さぁん……っ!」


 自分でも分からないくらいのか細い声で、咄嗟に思いついた名前を呼ぶ。

 すると玄関の方からガシャンッという大きな音が聞こえたかと思えば、


「彩花!!?」


 と今までに聞いたこともない張りつめたような声と共に、王宮さんが来てくれたのだった。