力が強いのは分かったから、早くどいてよ!

 けどそう思うも空しく、「まずこの体勢にして、それから」と三里さんは解説を止めない。いやいやいやいや! 王宮さんを押し倒すなんて、普通に考えて無理だから!

「で、あいつは耳の後ろとか、とにかく後頭部あたりが苦手なんだよ!」

「もう本当に、無理、ですぅ……」

「頑張って!」

 そう言って私の髪をサラサラと撫でながら、首元に手を添える三里さん。

「や!」

 もう、限界だった。