「ちょっとそこで待ってて。何か飲み物ついでくる」

「わーい!」
「お、おかまいなく!」

 部屋の奥に通されてテレビと机とクローゼットと……ベッドがある部屋に着く。うわぁ、男の人の部屋なんて初めて入ったよぉ……!

 しかも、いかにも“男の人の部屋”という感じが出ている殺風景な部屋。散らかってない云々の前に、散らかる物がないと言う感じだ。

「ビックリしただろー? 王宮の部屋はいつ見てもキレイだよな!」

「は、はい(もしかして私の部屋よりもキレイなんじゃ……)」

 そう思っているのを見抜かれたのか、掛下さんは「大丈夫。王宮の部屋はキレイ過ぎるだけ」とフォローしてくれた。