さて、いつもなら『弥生が丘前』で降りる私だけども、今日は何故か終点まで来ている。

 なぜって?

 そんなの、

「こっちが聞きたいです」

「ん? 彩花ちゃん、今何か言った?」

「い、いえ何も!」

 この目の前にいる人が王宮さんの親友、掛下三里さん。今回の悪の根源だ。

 いや、元を辿れば私の軽率な発言がダメだったんだけど、だからってどうして王宮さんの家に来ることになるの!? しかも――