「バス、あと二十分来ないぞ」

「あ、バス……そうですね」

 もう、紛らわしい。私は口を尖らせて空いている長椅子に座る。当然のように、その横に王宮さんは腰を下ろした。

 ギッと、古けた椅子が音を立てる。

「(うわ……っ)」

 改めた感じる二人の近い距離に、少し意識してしまった。

「(無駄にドキドキするなぁ)」

 早くバスが来て欲しい……少し火照った顔を隠しながらそう思った。