だけどいつまで経っても罵声はこない。そればかりか、頭にコツンと弱い衝撃が伝わった。

「へ?」

「お前……」

「な、なんですか?」

 弱くグーをして私の頭にゲンコツを入れたらしい王宮さんは、そのまま手を伸ばして私の頭を覆う。

 そして無言のまま、今度は撫で始めた。