ゴソ、ゴソッ

「ん?」

 私が違和感を覚えたのは、毎朝通学のため使うバス内でのことだった。

「(なんか……モゾモゾする)」

 いつもと同じ時間、八時ジャストに『弥生ヶ丘前』に止まるバスに乗って数分。いつもなら何の問題もなく、十五分程揺られれば学校に着くのだけど……何だか今日は様子が違う。

 モゾモゾと、そしてムズムズとする……。

 特に、お尻らへん。スカートが上がっているような、スースーした感じもある。

「(え……ちょっと、これって……!)」

 あ、痴漢にあっている――

 そう確信したのは、ゴツゴツした手が左のお尻をガッシリと触った時だった。