親友の逆ハーに巻き込まれた件。

○萌side●

「何故あんな頭の悪そうなヤツに庶務を任せたんだ」

「お前も大分頭悪そうだけどな」

「啓人先輩...さっきのことまだ怒ってるんですか」

それにしても、『頭の悪そうなヤツ』なんてすっごく失礼。
レオン先輩は頭がいい方だからそう見えるのかも。
同じ問題を解いても私の方が上なんだけど、それでも学年1位だし。
だけど。

「乃愛ちゃんは、頭が悪いんじゃなくて“よすぎる”んですよ。何をしても出来すぎてしまうから、何もしない。そうやって乃愛ちゃんを悪用しようとする連中から自分を守ったんです。運動の方はいくら手を抜いても隠せないらしいんですけど、学力なら誤魔化せますから。周囲にも、自分にも、何もわかっていないフリをすればいい。そう思ったらしいですよ」

乃愛ちゃんは、6歳で既に超難関大学卒業レベルの知能を持っていた。
そんな金の卵を周囲が放っておくわけが、なかったんだ。乃愛ちゃんの家はお金持ちだからなおのこと。
公への露出が多いぶん、狙う人も多かった。

「...まぁ、萌が決めたことだ。反対はしない」

レオン先輩がすねたように言う。
悔しいんだろうな。自分は努力して努力して。そこからまた努力してるのに二人の後輩に負けるんだもんね。
でも、乃愛ちゃんのことは認めたみたい。よかった。