―――……

あの日、俺は心に決めたんだ。



華への気持ちは、もう忘れるって。



自分にとって、何がいちばん大切か。



何度考えてみても、やっぱり答えは同じだった。



大切な人たちがいる。



小さい頃から、もう10年以上も、いつも一緒で。



つらい時も、楽しい時も、どんな時でも支え合って生きてきた。



いまの俺がいるのは、色羽と華がいつも一緒にいてくれたから。



その過ごしてきた時間の重さは、この3人以外、誰にもわからないと思う。



それほど、かけがえのないものだし、他の何にも変えられない。



このままずっと一緒にいるために。



それを守るために。



俺が変わっていけばいい。



俺は、ふたりのそばにいられたら幸せだから。



それが俺の願いだから……。