きっと色羽は、“あの時”のことをそのまま信じてるんだろうな。



俺たちがいくら否定したって、そう思わずにはいられないんだろうな。



だからって、こんなふうに夢の中で泣くくらいなら、



俺たちの前で一度くらい泣けよな。



ひとりで抱え込んで……バカなやつ。



色羽の寝顔を見て、俺はため息をついた。



あれからずっと、色羽がどんな思いで生きてきたのか考えると、



俺、悲しくてたまんねーや。



そうやってひとりで苦しむなよ。



もう十分だろ。



色羽には、幸せになって欲しいんだよ。



華に寄り添い眠る色羽を、俺は見つめた。



色羽……華のこと好きなんだよな?



華は色羽にとって、どういう存在?



俺に言えなくても、華になら言えるか?



色羽の悲しみ、苦しみ、痛み、ほんの少しでも……。



俺があきらめたら、ふたりは幸せになれんのかな……。



そしたら、これから先もずっと。



俺たち3人は、一緒にいられるのかな。



俺は、寝ているふたりの体にそっとタオルケットをかけた。