あたしは布団の上に寝っ転がった。



「なんだよ、華。もう寝るのかー?」



「成がムカつくから」



「えー?俺なんかしたっけ?」



「別にっ」



あたしはふたりに背を向けて、目を閉じる。



「なぁ、色羽。華なんで怒ってんの?」



「……さぁな」







――このとき、



あたしはまだ、気づいていなかった。



自分の気持ちも。



周りの人たちの気持ちも。



なにもわかってなかった。







17歳なんて、まだまだ子供で。



不器用で。



大切にしたいと思えば思うほど、



あたしたちは傷つき、すれ違っていく――。