「華の気持ちはわかった……」



「ありがと……成……」



成はニコッと微笑む。



少しの間、黙りこみ、うつむくあたしは小さな声で言った。



「……ねぇ、成は気づいてた?」



「なにを?」



「あたしたち3人の名前」



「名前?」



「“い・ろ・は・な・る”」



あたしは声に出しながら、指で砂の上に文字を書く。



「いろは、なる。ふたりの名前を書くと真ん中にあたしの名前……」



い ろ は な る



い ろ “は な” る



「ふたりがいるから、あたしがいる」