『え……?』



あたしは驚いていた。



ちょうどその日、学校で成が砂歩のことを“西内”じゃなくて“砂歩”って名前で呼んでいることに気づいた時だったからだ。



だから余計に砂歩の言葉に驚かずにはいられなかった。



『どうして……?』



あたしが聞くと、砂歩はいつもと変わらない笑顔で答えた。



『最初からね、砂歩の片想いだったんだ。ずっと……』



『え……?砂歩の片想いって……』



『うん……。華もいくら鈍感だからって、いいかげん気づいてるでしょ?成くんの気持ち……』



原っぱで、成の前で思い切り泣いた時。



成は言った。



“ひとりじゃないってこと、忘れんな。俺がいる。これからもずっと俺がそばにいる。華のそばにいる”



あの言葉は、幼なじみとして……そばにいるっていう意味じゃなかったのだろうか。



成は……あたしを……。



あたしのことを……。



『成くんは、最初からずっと華のこと想ってた』