それからしばらく3人黙ったまま、星空を見つめていた。
流れ星はまだ見つけられない。
「あ!」
「どした、華。流れ星?」
成の言葉に、あたしは首を横に振る。
「違う……思い出しちゃった」
「なにを?」
成も色羽もあたしの顔を見る。
明日までだった、提出期限。
「進路調査の紙、もう書いた?」
あたしはふたりに聞いた。
「なんだぁ。それかぁ。うん。俺は2日前に出したぜっ」
「え?成もう出したの?早くない?」
「俺も昨日出した」
「えぇっ!?色羽も!?」
ふたりともまだだと思ってたのに。
裏切り者~!
「進路どぉするの?てかさ、ふたりはもう将来の夢って決まってたりするの?」
「はいはーい!」
明るい声で手を上げた成。
「どーぞ、成」
「俺は地方公務員!ここの町役場な」
「へぇ~!マジメ!」
成の見た目からは想像もつかなかった職業……って失礼か。
「いや、華……俺だって髪とか染めんの今だけだって」
「うそ……心の中の声、聞こえちゃった?」
「うん。華の顔にそう書いてある」
「ご、ごめん。でも意外だったから」
「ばーちゃんが昔から俺によく言ってたんだよ。役場に就職して、町のために働けって。今はそれもいいかなって思う」
そう成が言うと、色羽は微笑んで言った。
「成に合ってる気がすんな。いいんじゃね?」
成はちゃんと進路のこと考えてたんだ。
なんか置いてけぼりになった気分。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)