「こんな話するつもりなかったのにな。ごめんな。いました話は全部忘れてくれっ」
成は普段と変わらない明るい様子に戻った。
「なかなか流れ星みれないなぁ。せっかく来たのにな?」
成の笑顔に胸がぎゅっとなる。
「色羽も華も、願い事なにする?」
「ふっ。願い事って……ガキかよ?」
「せっかくだし、ここは願い事しとこーぜ。流れ星が流れる間に3回願い事を唱えたら願いが叶うっていうよな?流星群つったら願いごと叶いまくりだなっ」
成の言葉に呆れて笑う色羽。
「そんなアホな。どんだけ早口で願いごとすんだよ」
願い事か……。
遠い町に住む琉生へ。
ねぇ、琉生。
同じ空を見てる?
琉生がこの町を離れて行ってからもう5年が経つんだね。
まだ小さかった琉生は、どれくらい大きくなったのかな。
背も伸びて、男の子っぽくなったのかな。
あなたのお兄ちゃんは、あなたを大切に思ってるよ。
あなたを傷つけたと思ってる。
いつか会える時が来たら、成の気持ち、聞いてあげてくれるかな。
そのときは、あたしも色羽も一緒に、琉生に謝りたい。
ごめんね……。
成があたしたちと離れられなかったんじゃない。
あたしたちが成を離さなかったの。
琉生の大切なお兄ちゃんを、あたしたちが手放せなかった。
ごめんね、琉生……。
お父さんとふたりきりで、きっと寂しかったよね?
本当にごめんね……。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)