「毎年、流星群を見に行きたがるのは、琉生の笑った顔を忘れないためとか?」
色羽が聞くと、成は少し間をあけて答えた。
「……それもあるけど、自分が琉生を傷つけたことを忘れないためでもある」
「離婚は、成のせいじゃないじゃん。琉生だってちゃんとわかってると思う」
そうあたしが言うと、成は首を振った。
「まだ10歳だよ。離婚したときは、たったの5歳だった。なにもわかるわけない。俺が傷つけたこと以外は」
成がそんなふうに思っていたなんて、知らなかった。
毎年、成が流星群を見に行きたがるのには、ちゃんと理由があったんだ。
成が言うとおり、琉生は本当に、成のこと憎んでるのかな?
なんで成の電話に出てくれないんだろう。
親が離婚しても、成と琉生が兄弟だってことには変わりないのに。
琉生がこの町にいた頃、いつも琉生は、成のあとを追いかけまわしてたな。
色羽やあたしも可愛がってたけど、
年が離れた兄弟っていうのもあって、成はすごく琉生のことを可愛がってた。
琉生だって、成のことあんなに大好きだったのに。
琉生は、お父さんのことが苦手で。
離婚のとき、成にお父さんと一緒に行けって言われたのが、ショックだったのかな……。
「だから俺はもう二度と……。自分の気持ちばかり優先して、大事な人を傷つけたりしないって……そう決めたんだ」
そう言って成は、あたしたちに微笑んだ。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)