プリクラを受け取ると、成と砂歩が写っていた。
「いい感じだね、ふたり。ラブラブ~」
明るく言ってるつもりだけど、胸がぎゅっと痛む。
「そんなことないってばぁ」
砂歩の幸せそうな顔。
あたしはいつになったら視線を逸らすことなく、砂歩の幸せそうな顔を見られるようになるんだろう。
砂歩に対しても、ウソをついているみたいで。
つらい。
「砂歩はいいな……。可愛いし……性格もいいし、しっかりしてるし……」
「えー?なにそれ。そんなことないし。急にどしたの?」
「前から思ってた。同じ女子から見ても憧れる」
「何よ、華。熱でもあんの?」
「ナイナイ。ふふっ。砂歩が照れてる~」
「そんなこと言われたら照れるに決まってんじゃんっ」
プリクラを見つめる。
笑ってるふたり。変顔するふたり。顔を寄せ合うふたり。
ここにはあたしの知らない“ふたり”が写ってる。
「今度また撮ったらあげるねっ」
笑顔の砂歩を見て、胸が締め付けられる。
「うんっ」
いつになったら、傷つくことに慣れるんだろう。
胸は痛まなくなるんだろう。
人って……
どれくらい傷つけば、平気で笑えるようになるんだろう。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)