「どこに行ったんだよ……ったく」



しばらくして俺は、いなくなった華の姿をさがしていた。



ひどいこと言っちゃったな。



西内は、華の友達なのに。



奪えばいいなんて、心から言った言葉じゃなかった。



華が成のことばっかり見てるから。



悔しくて。もどかしくて。



傷つけたくなんかないのに……。



下駄箱の華の名前に目をやる。



上履きが置いてあるってことは、



校舎に戻ったわけじゃなく、まだ外にいるはずだよな。



片付けやなんかで、あちこちに生徒がごちゃごちゃいて、ちっとも見つからねぇ。



「あ、ちょっと。華、見てねぇ?」



グラウンドにいたクラスのやつに聞いたけど、首を横に振るだけだった。



俺は走って華をさがしまわる。



「華ーっ」



どこにいるんだよ。



どこに逃げたんだよ。



俺から逃げんな。