** 色羽side **



「やっと片付け終わったね」



「あぁ」



後夜祭の最中、俺と華はグラウンドにいた。



「疲れたぁ」



そう言って華は、地面に座り込む。



「華、早く体育館いこーぜ。バンド盛り上がってるみてぇだし」



「あ、うん」



「どした?乗り気じゃねーんなら別に」



「そんなことないよ」



華の様子がなんかヘンだ。



この文化祭の間、ずっと。



「もしかしてさ……」



「ん?」



「成と……なんかあった?」



「ぜ、全然っ!なにもあるわけないでしょ!?」



あからさまに動揺してんな。



わかりやすいやつ。



成と、なんかあったことは確かだな。



そういえば成もどこかヘンだったし。



だけど、なにがあったかなんて……



知るのも聞くのも怖い。