初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら


「おーい!成ー?」



その声に成は、立ち上がって出ていく。



やってきたのは、ゾンビの格好をした色羽だった。



「成。そろそろ交代だって」



「え?あ、そう。わかった……いまいく」



あたしも立ち上がると、色羽は驚いた様子であたしの顔を見つめた。



「え?華がなんでここに?」



「あ、うん。えーと。成にジュース持ってきた……へへっ。色羽のもあるよ?……はいっ」



ジュースの缶を差し出すと、色羽はあたしの顔をジッと見つめたあと受け取った。



ヤバい。あたし明らかに動揺してる。



なんかあったって、もしかして色羽に気づかれたかな。



「そ、そうだ。あたし先生に呼ばれてたの忘れてたぁ。先にいくねっ」



あたしはふたりをその場に残して、走っていく。



やばい。通常のルートを逆走して入口に向かっちゃってる。



だけど、それどころじゃない。



とりあえず外に出なきゃ。



「あれ?望月……なんで?入口だぞ、ここ」



お化け屋敷の入口に立っていた男子が不思議に思うのは当然だ。



「ごめーん!怖くて逆走してきちゃった」



「ハァ!?マジかよ」



「へへっ……じゃ」



あたしは廊下を全力で走っていく。



さっきのは一体なに……?



成はなんであたしのこと抱き締めたの?



それともあたしの勘違い?



そうだよね。そう。



勘違いだったのかも。



だって成は砂歩と付き合ってるんだから。



そんなことするわけないよね。



「そんなことするわけない……」