「華、どこ行くの?」
教室を出ようとすると、成の声がうしろから聞こえた。
「砂歩、まだ帰ってないみたいなんだけど、さっきから見かけないからさ」
「あー。そーいえばどこ行ったんだろ。俺もさがすよ」
「うん。じゃ、よろしく」
廊下に出て、成とは反対の方向にあたしは歩いていく。
砂歩の姿をさがすけど、他の教室にいる様子もない。
カバン置いたまま帰るわけないだろうし……。
どこにいったのかな。
「ねぇ、砂歩のこと見てない?」
廊下ですれ違ったクラスの女子に聞くと、何か思い出したような表情をした。
「そういえば、さっき他のクラスの女子と一緒に歩いてるの見たけど」
他のクラスの女子と……?
砂歩、誰か仲良しの子いたっけ?
「どこで?」
「階段んとこ。下に行ったよ」
「ありがとっ」
あたしは階段のほうに向かって走っていく。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)