そのあと、しばらくして戻ってきた色羽と看板を塗る作業をしていた。
窓の外は、日が暮れて薄暗くなっていた。
クラスメートたちも、ちらほら帰り始めていることに気づく。
「ねぇ、色羽。今日はここまでにしよっか?」
「そーだな」
教室の中では、成が男子たちとふざけて、雪女の格好をしていた。
似合ってるし。なんか笑える。
「成、雪女やんの?」
あたしの隣にいた色羽が、成に聞いた。
「いーや。ちょっと衣装があったから着てみただけ」
「ふーん。すげぇ似合ってんぞ」
「色羽も着てみろって。髪の長いカツラつけて」
「やだよ」
成たちに無理やり雪女の格好をさせられてる色羽を見て、あたしも思わず笑ってしまう。
何気なく砂歩の席を見ると、砂歩のカバンがまだ置いてあることに気づく。
まだ帰ってなかったんだ。
だけど、どこにいるんだろう?
さっきからずっと、砂歩の姿を見ていない。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)