ひとりで帰れるよって主張したのに、ダメだって。
なにがダメなんだって聞いたら、危ないって。
もう幼稚園児じゃないんだよ!
はなちゃんは一瞬固まったあと、ものすごい勢いで爆笑した。
もうめちゃめちゃ恥ずかしかった。
こうちゃんって本当に過保護。
このままじゃ、お父さんやお母さんよりもこうちゃんのせいで、立派なハコイリムスメになってしまいそうだ。
「でも季沙とデートできたから、わたし的には瀬名くんに感謝」
大きな目に顔を覗かれながらそんなことを言われるときゅんとしちゃう。
はなちゃんはこうやって男の子を恋に落としているわけだな。
いまの彼氏さんだってきっとそう。
ちなみに、アキくんのときは、どうだったんだろう。
「ていうかきょうはむしろ、つきあってくれてありがとね」
少し肩をすくめ、はなちゃんが恋する女の子の顔をした。
だけどそれをなるだけぐっと押し殺しているような、苦い感じの横顔がとてもかわいい。
細い手首にぶら下がっている紙袋を見て微笑ましい気持ちになる。
いつもどこかドライなはなちゃんがすごく悩んで選んだ甘いチョコ、どうか、彼氏さんに喜んでもらえますように。



